2012年6月5日火曜日

全国で唯一の民間が経営する希望小学校


こんばんはー


月曜日の午前中に、ある活動に参加し、現地の学校に行ってきました。


今回の活動は

知り合いから「興味あるでしょ!」と紹介してもらったもので、

事前に一度ミーティングがあったものの用事があって参加できず、

活動の目的、概要などはほぼ知らぬまま(ちなみに今も知りません…)

本当にただただ見学させてもらいましたーといった感じでした。



ざっくりわかる範囲で説明すると…


代表者は

「昆明で欧米人に大人気のカフェを経営しているアメリカ人」


で、


今回の活動内容は

「listening to children's hearts」

「art projects」

です。

心臓の検査がメインで、待っている間にゲームしたり絵を書いたり、といった感じでした。



活動について、よりも、ここの学校と場所がとても興味深かったので

ブログで紹介しようと思いました。



昆明の中心地は、古い建物がどんどん取り壊され、

開発が進められています。

決して、すごく綺麗とは言えませんが、

雲南省の省都だけあってそれなりに整備されています。


今回訪れた学校は、

昆明の北、バスで30分ほど行ったところにあります。

私の感覚からしたら、決して農村ではなく、中心から少し外れたところ、といった感じです。


大きな通りから少し細い道に入っていきます。

そこには、昔の雰囲気が残った

レンガむき出しの建物が並んでいました。


それはまさに昆明でなくなりつつある風景、そして雲南省の地方ではよくある風景でした。



奥に見えるのは建設中のマンション。




訪れた小学校は

「德馨学校」



この学校は、

「全国で唯一の民間が経営する希望小学校」

とうたっており、ちょっと特別なのです。


「希望小学校」

というのは、よく中国では耳にする言葉で、

これといった定義はないらしいのですが、

中国青少年発展基金会(注1)という団体が始めた

“希望工程”というプロジェクトの中で建てられた学校を希望小学校というようになったことから

現在も、貧困地区にあり貧しい家庭の子供たちが通う学校は「希望小学校」と言われているようです。


<注1>
1989年に創設された独立法人格 を 有 す る非営利社会公益団体であり,
主管部門である中国共産主義青年団中央委員会が提唱,主導した下で設立したものである。
官製NGOともいえるが,中国青少年発展基金会は発足して以来,
自らをNGOと位置づけ,新たな組織体制と運営システムを構築し,
中国NGOの先駆者としての地位を確立してきている。

申荷麗・松井範惇「中国の教育NGOによる「希望プロジェクト」──貴州省と広東省の比較分析──」『アジア経済』第48巻第7号,2007年7月,p.50-51  より



ということで、

今回のこの德馨学校は

障害を抱える子供や孤児、

家庭の事情や金銭的な理由などから一般の学校に通えなかった子供たちが通っていること、

また、このような希望小学校を民間が経営しているということが特別なようです。


kindergartenと呼ばれる幼稚園のようなクラスから、中学2年生までの、
(現在は一番上の学年は中学2年生ですが、中学3年生まで就学可能)

計450名の子供たちが通っているそうです。


たくさんの組織・個人が寄付をし経営しているようで、

今回の活動の代表者の方も寄付をしており、

そういった関係から今回のような活動を過去何回か行っているようです。



心臓検査の様子…

一人ひとりチェックしていきます。


個人的に、後ろにある黒板が印象的で、

「そうだ黒板って“板”なんだよなぁ」

なんてことを感じさせられました。



待っている間は、ゲームをしたり絵を書いたりして、

この日集まった約25人のボランティアと交流していました。



ボランティアは、欧米人が半分くらいを占め、

頑張って英語で交流しようとしている生徒もいました。

語学を勉強する上で、実際に使うことはとても大切だと思います。

子供たちにとって、こういった機会はとてもいい経験になるのではないかと思います。




最後はボランティアとkindergartenクラスのちびっ子たちとパチリ。




友達に誘われて、なんとなーく軽い気持ちで、

さらには当日の朝雨がひどく、行きたくないよーなんて気持ちで参加した今回の活動。

思わぬ収穫でした。


中国の教育事情、NGO事情など、改めてたくさんの疑問が浮かんできました。


たとえば、私が先述した

「金銭的な理由などから一般の学校に通えなかった子供たち」

のことについて。


中国の義務教育は9年間で、基本的に日本と同じように、小学校6年、中学校3年です。

義務教育というだけあって、学費はかかりませんし、

貧困家庭に対しては補助などもある、と聞いたことがありました。


実際知り合いの中国人に話しを聞いても、

公立小学校でかかる費用は1年間で1000元弱(約1万3千円)と言っています。

決して大きな額ではないと思うのですが、

格差の大きい中国においては、それが現実なのかもしれません。



学校の経営についてや子供たちの背景についてもとても気になります。


今回は午前中だけという短い時間だったので、先生にも質問しきれず、

消化不良で終わりました。


なにはともあれ、個人的にもいい機会となりました!


後日追加レポートができればなーと思います!


それでは